「海外旅行における新型インフルエンザ対策セミナー「抄録」

流行時の医療機関の対応

金川 修造

国立国際医療センター渡航者健康管理室


 海外渡航者の増加により帰国後の体調不良を訴えて医療機関を受診される方の数も増えてきている。海外旅行にかかわる疾患としては、マラリアや腸チフスなどの感染症が特に注意を要する疾患として取り上げられてきているが、近年SARSなどの新興感染症の発生が国際的対応の必要な感染症として大きく取り上げられるようになった。現在話題になっている新型インフルエンザも世界的流行を起こす可能性がある疾患として世界保健機構が各国に準備体制整備を呼びかけている。わが国でも厚生労働省が新型インフルエンザ診断・治療ガイドラインを作成しているところである。現在の状況はWHOの示すところのフェーズ3であるが、ヒトからヒト感染による流行が起こるとフェーズ4となる。これらの時期の医療機関の対応か迅速かつ的確であれば、流行拡大を少しでも小さくすることができ社会的被害も小さくできるものと考える。医療機関の対応として最も重要なことは疑い患者の早期発見とその後の感染防御対策であり、外来診療を行う医療機関は重要な役割を負っていることになる。今回はフェーズ3と4の時期の医療機関の対応について現在取られている体制や今後実施が考慮されている体制について報告を行う。